本文へジャンプ 1月 6日 

New SKB 工場見学レポート

                      by G会長

わが国の発展の礎ともいえる国民の勤勉さ几帳面さが、工業製品の精密・精巧・堅牢、品質に妥協を許さぬ物作り(造り)の技術に注ぎ込まれて世界の人々に歓迎され受け入られてきました。
例えば時計やカメラ、家電・電子機器、車、船、航空機などなど。
然し昨今は、経済発展による人件費の高騰などによる海外への生産拠点の移転によって国内工業生産技術の空洞化と衰退が叫ばれて久しくなりました。
「一本の銃は親子三代に受け継がれる」よく聞く言葉です。
銃は手入れを怠らなければ10万20万発の使用に耐え、親から子へ、そして孫へ残す事が出来るということです。
堅牢丈夫で機能的、尚かつ美しい銃。その製造技術の技を長きに渡って伝えて、頑なにそれを守る職人たちの集団が日本に残っています。
それはNewSKB社です。小生は銃を所持してから30年来のSKBフアンなのです。

わが国に初めて火縄銃が伝来した時、それを見た工人達は、たちまちにして勝るとも劣らぬ銃を作り上げてしまったという。以来、鉄砲鍛冶職人達はその技術を後世に伝承し遺してきました。
全ての手工芸技術と先端技術が凝縮された銃。
機関部の堅牢かつ緻密繊細な磨り合せ、鋼の鈍い光と唸るような彫刻、美しい木目と曲線。
組み上がった一本の銃が放つ見事な調和美に、見る者全てが陶酔して瞬きも忘れる。
それを手にして射台に立ち、或いは猟野で標的に銃口を向けて引鉄を引く間際の緊張感。
砕け散るクレー、愛犬がもたらしたトロフィーを手に取り喜びに浸る・・。

一体、銃はどのような工人(職人)たちの手によって作られているのか。
それを知りたくて2006年1月6日、創業150年を超えた茨城県友部町にあるNewSKBの散弾銃製作現場を訪ねました。
 案内していただいたのは、国体トラップ射撃茨城県代表であり昨年度は全日本チャンプになってその頂点に立たれ、今年は中国で開催されるワールドカップ代表にも選出されたJMこと三浦さんです。
お忙しいトレーニングの最中に時間を割いていただきました。ありがとうございました。
JMさんの活躍を知りたい方は下記ブログをお訪ね下さい。

 http://www.newskb.com/ks-factory/index.html


NewSKB工場、此処では約50名程の工員(以下、「職人」と敬意をもって呼ばせていただきます)が勤務されています。
製作される銃は年間約1万丁ほど、その9割以上は欧州、米国ほかに輸出されています。
相手先ブランドによるOEM生産銃は、作りの丁寧さや性能の良さから相手メーカーは日本製であることをセールスポイントにして販売しているそうです。
彫刻はそれぞれの図柄を得意とした彫師がユーザーのどんな注文にも対応できる体制だそうです。

では、ご案内いたします。
各工程写真は画像が鮮明すぎると企業秘密や製作ノウハウに差障りがあってはいけないと思いまして、被写体によっては意図的に微妙にカメラをぶらして撮影しました。ご了承下さい。



ほれほれ、このバス停の看板を見よ! なんだかこれ見ただけで小生は感激・感動しちゃったんです。 案内してくれたわれらがヒーロー、スター、ホープ、アイドル?? JMこと三浦さん。今年の活躍を期待しています。 銃身元部を削り出す前の鋼材ブロック。
窄孔して削り出された銃身元部。 同じく、粗削り状態の機関部。 ほぼ形状が整えられた銃身接合前の元部。
元部と接合前の銃身単体。 組立てられた銃身の研削加工中。 職人さんの手により細部に渡る研削調整が行われています。
銃身着色前の最終研磨。 銃床加工前の様ざまな台木。木目の美しさは銃のグレードを左右する重要な要素です。
ユーザーの好みで選択も出来ます。発砲時の反動をスムーズに台尻に伝えるためには、力学的には柾目が良いそうです。あくまで個人の好みによりますが、小生も柾目の美しさに惹かれます。
成形された銃床。手に持つと意外と軽いので驚きました。
先台の研磨工程。塗装の後も細かく研磨され、数度の塗装研磨を繰返します。 MJ-7の機関部と銃床接合。微妙な調整が行われます。 台木の削り出し作業。この方は名人と云われる親方さんです。オーダーの銃は他の職人に任せず、その殆どが親方の手によって仕上げるそうです。
仕上がった各部品を組立ててチェックしています。 完成した銃、銃、銃。壮観です。これらは国内出荷品。 これは海外向けの完成銃です。グリップ形状の違いと引鉄に安全ロックが付いているのが判るでしょうか。
試射室です。鉄製円筒形の空洞内部に吸音材が張られて発砲音が外部に漏れないようになっています。奥行きは40フィートあるそうです。手前にあるのはスコープ。そしてやや右奥にあるのは銃架です。毎日でも銃を撃ちたい人は、此処に勤務して試射担当になれば最高かもね?